世界最高学府オックスフォード大学から発表された「10年後に消える職業」の中にネイリストが挙げられていた件について。
これを知った現役ネイリストやネイリストを目指している人たちは、すごくゾッとしましたよね。
理由は、主にAI(人工知能)などの技術発達によるもののようですが、果たして本当になくなってしまうのでしょうか。
この記事の目次
ネイリストの仕事がなくなるのは本当か
近年話題になっているのが、ネイルプリンター。
爪を入れると自動で爪の形状を読み取り、希望通りのアートを数十秒でプリントしてくれます。
…まさにネイリストにとっては死活問題ですよね。
すでに業務用のネイルプリンターを設置したネイルサロンがあったり、家庭用のネイルプリンターも3〜5万円前後で手に入ります。
近い将来は、セルフネイルが普及した時のようにもっと沢山の人がネイルプリンターを利用し、もしかするとコンビニでサクッとネイルができるようになる時代もくるかもしれませんね。
ネイルプリンターの使用感
私は何度かネイルサロンでネイルプリンターを体験したことがあります。
一番初めの時は、敵対心があったので、機械相手でしたが心臓バクバクで(笑)
技術に自信がある私でも恐れているんだな、と自分でも驚きました。
実際の使用感はというと、一言でいうなら「手軽」。
早いし安いし正確。その点では到底敵いそうにありません。
ですが、機械相手に会話することもないですし、ただ希望の柄を指定して指を入れれば出来上がってしまうので、良くいえば「手軽」なんですが、悪くいえばとても「淡白」に思いました。
ネイリストの施術はネイルプリンターとは別物
あくまでも私の考察ですが、直近で劇的にネイル業界が変わることはないと思います。
さらにいえば、ネイルプリンターが普及して今と市場がガラリと変わったとしても「同じフィールドで戦う相手ではないな」という感じもしました。
確かに、ネイルプリンターは効率的にネイルを楽しめます。
そうしたユーザーの需要は一定数あるでしょうから、きっとどんどん普及すると思います。
プリンターなので発色もいいし、柄物もできるし、スマホで撮った愛犬をプリントすることだってできます。3Dネイルだってできます。
しかし、私から見るにネイリストが施術したような繊細さや奥深さ、「作品」とも呼べる味のある雰囲気は、現段階ではプリンターで出すことができません。
また、ホスピタリティ(おもてなし感)もないので、「癒された」「楽しかった」という感情も得られません。
これを悪いと思う人もいれば、「早いし効率的ならいいよね!」と思う人もいるでしょう。
そうした需要の違いが、私がいう「同じフィールドで戦う相手ではない」ということなのです。
ネイリストの仕事がなくなる人となくならない人
極端にいえば、今あなたが働いているネイルサロンが、安い!早い!を売りにしていたり、1日お客様をパンパンに入れるお店なら、正直危ないと思います。
おそらく、ネイルプリンターと同じ客層がターゲットなわけですから。
ですが、安さ・早さよりも、お客様お一人お一人にあった施術を提案していたり、お客様がネイルに満足しているのはもちろん、ネイルサロンを”エネルギーチャージの場“として思っていてくれたり、ネイリストの自分に会いに来てくれているような信頼関係が築けていれば、ネイリストとして働き続けることはおそらく可能なはずです。
しかも、社会的に今よりもネイルそのものの理解が深まり、ネイルユーザーが増え、今以上に多くのお客さんに出会えることだって十分に考えられます。
ですので、そうしたAIには現状できない、丁寧な接客・技術・おもてなしで人を感動させ、心をがっちり掴むことができていれば、ネイリストの仕事を続けることができるのではないでしょうか。
もうすでにそうした仕事ができていて、もっと高めていきたい・磨いていきたいという向上心のあるネイリストなら、きっとこれまで以上にたくさんの人から愛されて活躍しやすい社会になっていくのではないかな…とも思います。
ただし、10年後も20年後も今と同じスタイルやっていけるかは、その時の社会の動きやネイルサロンの事情もあるのでなんともいえません。
ですので、ネイリストに限った話ではありませんが、お客様を大切にしながら柔軟性を持った働き方を選ぶことも、今後求められるでしょう。
選ばれる人間になればネイリストの仕事がなくなることはない
新型コロナウィルスの影響で沢山の企業が廃業を余儀なくされましたが、一方で売上がほとんど変わっていない会社もあれば、コロナが流行る前よりも売上が上がった会社もあります。
その違いは「人に愛されていたかどうか」。
AIが持つ能力は、人間のはるか上をいくものです。
ですから、今後はおそらく「人間が、人間にしかできないものを求める時代」になると考えられます。
そうした時に選ばれる人間に自分がなれていれば、きっとネイリストとして活躍できるはずなので、AIと一緒にネイル業界を盛り上げる気持ちで、どんどん自分のできることを増やし、自分の好きなことを全うできる社会・環境を作っていきましょう。