突然指にできた赤いブツブツ、激しいかゆみ…
もしかしてコレってジェルネイルアレルギー?
- どんな症状が出るの?
- 市販薬で治る?
- 原因は何?
- 完治するの?
今回は、意外と知られていないジェルネイルのアレルギーの症状や原因、対策法についてご紹介いたします。
この記事の目次
ジェルネイルアレルギーとは
実のところ、「ジェルネイルアレルギー」という明確な病名は存在しません。病院へ行くと、「接触性皮膚炎」と診断されます。
金属アレルギーやラテックス(ゴム)アレルギーなどのように、何らかのアレルギー物質に接触したことで起こる皮膚炎のことを言います。
その他に接触制皮膚炎になりやすい原因物質は、植物や薬、シャンプーや化粧品、化学薬品、光、食べ物など、実にさまざまなものがあります。
ジェルネイルアレルギーの主な症状
では、ジェルネイルアレルギーになると、一体どんな症状が出るのでしょうか。
ジェルネイルアレルギーになると、以下のような症状があらわれます。
- 突然指先にかゆみが出る
- 皮膚の赤み
- 爪周りが腫れる
- 小さい水疱ができる
- 水疱がはじけてジクジクしてくる
症状が起こるタイミングは、ジェルネイルを行ったその日の夜〜2、3日経った後で突然発症することもあります。眠れないほどの強烈なかゆみに襲われ、寝ている間にも無意識にかきむしってしまうことも。かきすぎると水疱がはじけてジクジクしたり、血が出てきて痛みを伴います。
症状が出る箇所は、ジェルネイルを施した爪周りだけとは限りません。何度も症状を繰り返していくとアレルギーの症状範囲が広がり、手の甲全体がかゆくなったり、別の場所にも拒否反応として湿疹が出ることもあります。
また、放っておけば治るだろうと放置していると、腫れが長引いた場合、皮膚が盛り上がって爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)という症状に発展したり、爪に内出血が起こりそのまま色素沈着してしまったりすることもあります。
上記のような症状が現れた場合、すぐにお近くの皮膚科で相談をしてしみましょう。
ジェルネイルアレルギーは病院で治る?
残念ながら、ジェルネイルアレルギーは一度発症すると、完治することはありません。
これは花粉症などと同じで、一度皮膚が拒否反応を起こしてしまうと、それをアレルゲン物質として体が反応するようになってしまうからです。
皮膚科では、アレルギー症状を抑えるために、ステロイド外用薬と、かゆみが強い場合には内服薬として抗ヒスタミン薬が主に処方されます。
薬によって症状が落ち着いたとしても、体の中から根本的に治癒できるわけではありませんので、また症状が出たら薬を飲んだり塗ったりする必要があります。
重症化しないためには、原因と思われるものをパッチテストやその他検査などで特定する必要があります。特定ができたら、その物質には触れないことが症状を起こさないためにできる一番の予防対策になります。
また、アレルギーの原因を特定するのは、皮膚科の専門医であっても難しく、ジェルネイルで起こるアレルギーは「主婦湿疹」と間違われることもしばしばあります。ですが、ジェルネイルの施術を行った後に必ず湿疹が現れる場合は、ジェルネイルがアレルギーの原因物質である可能性が高いです。
「ジェルネイルをやめなさい」とお医者様から言われるのが嫌だからとあいまいな経過説明をして異なる診断にならないよう、きちんとお医者様に説明を行いましょう。
◆病院で処方される薬の一例◆
- アレグラ
- アレロック
- ザイザル
- ビラノア
- プロトピック軟膏
- マイザー軟膏
- 抗ステロイドの飲み薬
- リンデロン
- PZ など
これらは一例になりますので、クリニックの方針や個々の症状によって、処方されるお薬は変わってきます。薬は副作用を伴うものもあるので、必ず医師の判断の元服用するようにしましょう。
ジェルネイルアレルギーに対応した市販薬はある?
市販の薬局などで購入出来るアレルギー薬は、レスタミン、アレグラ、アレジオンなどがあります。
ちなみに、家にあるオロナインを塗っておけば大丈夫!という考えは危険ですのでご注意を!!オロナインはあくまでも「消毒用軟膏」なので、アレルギー性の湿疹には使用しないでくださいね。使用上の注意書きにも、
(1)湿疹(ただれ、かぶれ)
(2)化粧下
(3)虫さされ
などには使用しないよう書かれていますよ。
また、抗ヒスタミン薬は予防薬としては効き目があっても、症状が出てからでは効果が薄れてしまいます。症状が出ている部分にはそれを抑える薬、症状が出ないようにするためにはそれを予防するための薬、という風に、しっかりとその時の症状に合った薬を使用することが症状を抑えるための大切なポイントです。
ですので、上記の理由も踏まえ、一度も病院へ行ったことがない状態で、自己判断で市販薬を使うのはおすすめできません。場合によっては悪化する危険性もありますので、必ず皮膚科に行きましょう。そして、なんだかんだ皮膚科で保険適用で処方してもらったほうがお薬も安いので、めんどくさがらずに受診することをおすすめしますよ。
ジェルネイルアレルギーの原因とは
さて、赤いブツブツやかゆみに襲われるといったアレルギー症状は、一体なぜ起こるのでしょうか?
ジェルを変えればアレルギー症状はおさまるのでしょうか。
残念ながら、必ずしもそうだとは言い切れません。どんなにジェルの種類を変えたとしてもアレルギー症状がおさまらない場合は、ジェル以外のものに反応してアレルギー症状を引き起こしていることもあるのです!
ここでは、ジェルネイルアレルギーを発症する原因となりうる代表的なものをご紹介いたします。
特定のメーカーやブランドのジェル
ジェルネイルには、様々なアレルギー物質になりうる化学物質が含まれており、特に、HEMA、ベンゾフェノン-3、アクリル酸、アクリル酸イソボルニルなどは、アレルギーを引き起こしやすい成分だと言われています。
ジェルに含まれている成分でアレルギー症状が起きている場合は、ジェルの種類を変えただけでアレルギー症状がおさまることもあります。ジェルのメーカーやブランドによって配合されている成分には違いがありますので、成分表チェックして、他のものを試してみるのもひとつです。
アセトン
ジェルネイルを落とすために使用されるアセトンという溶剤に反応してアレルギーを起こしている場合があります。その場合は、アセトンフリーのオフ剤で落とせるマニキュアを使用したり、オフそのものの頻度も頻繁にしないよう注意しましょう。
UVライト
普段から紫外線アレルギーがある方は、ジェルネイルを硬化させる時に使用するUVライトの紫外線で反応を起こすことがあります。UVライトでアレルギーが出る方は、LEDライト対応のジェルを使用しましょう。また、サロンで施術をしてもらう際には、伺う前にどちらのライトを使用しているのか確認をとりましょう。
爪表面の削りすぎ
化学薬品に対するアレルギーだけではなく、爪を削りすぎることによって、アレルギー症状が起こることがあります。これは刺激に対して肌が敏感になってしまっている状態ですので、ネイル自体しばらくお休みしたほうが良いでしょう。
ジェルネイルアレルギーの原因はさまざま
このように、ジェルネイルアレルギーとは、単に「ジェル」そのものだけでなく、その施術に関わる様々なものがアレルギーに関与している可能性が考えられます。
また、もともと花粉症持ちなどのアレルギー体質の方はなりやすいと言われていますが、これといったものが思い浮かばない人でも、突然アレルギー症状を発症することがあります。
特に、セルフネイルで頻繁にオフを繰り返していたり、はみ出した状態でも気にせずに過ごしていると、ある日突然発症するというケースも近年増加しています。
また、皮膚科へ行ってもジェルネイルアレルギーという特定の病名はないので、対策に困っている方も多いのが現状です。
ジェルネイルはアレルギー症状を引き起こすこともある、というリスクをきちんと知った上で、正しい知識を持って施術を行うことが大切です。
ジェルネイルアレルギーパッチテストは危険!
特定の物質に対してアレルギーがあるかどうかをチェックするには血液検査やパッチテストが主流です。
パッチテストは、セルフヘアカラー剤などでやり方を見たことがある方も多いと思いますが、10円玉大で皮膚に塗布して、12時間、48時間、経過観察をするものです。
塗った場所が赤くなったりかゆくなったりした場合は、アレルギーがあるとみて使用を中断する必要があります。
血液検査と異なり、だれでも簡単にできるパッチテストですが、ジェルネイルのパッチテストは危険なのでやってはいけません!
そもそも、ジェルネイルは爪に塗布するものなので、皮膚に直接塗ってしまうとジェルネイルアレルギーがなかったとしても、何らかの異常が現れる場合もあります。
万が一ジェルネイルアレルギーだった場合、重篤な症状を引き起こしかねないので、ジェルネイルのパッチテストはやらないようにしましょう。
アレルギーがあってもジェルネイルがしたいなら
- でも、やっぱりどうしても諦めきれない!
- 爪の補強のために続けたい!
- アレルギー対応のジェルが知りたい!
という方のために、5つの対策方法をご紹介いたします。
1.アレルギーを考慮したジェルを使用する
もし、特定の原因物質がわかれば、それが入っていないジェルを使用することで、ジェルネイルを楽しむことができます!
必ずアレルギー反応が起きないジェル、というわけではありませんが、以下のジェルを試してみてはいかがでしょう。
ネイルパフェ ジェル
画像出典:公式サイト
ジェルアレルギーの方でも使えるようにと、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸、HEMAの3つの成分が不使用のジェル。
製造も国内製造にこだわり、「化粧品の成分表示名称リスト」に載っている成分しか使用していないというこだわりよう。
sacraジェル
画像出典:公式サイト
HEMA、アクリル酸不使用のジェル。サクラエキスとビタミンEを配合した、安心の国産化粧品登録ジェルです。
ジュエリージェル
画像出典:公式サイト
食用色素と化粧品原料のみを使用し、アレルギーパッチテスト済の純国産ジェル。
HEMAとアクリル酸不使用。ジェル特有のニオイも抑えられた、爪にやさしいソークオフジェルです。
agehaジェル
画像出典:公式サイト
有名アーティストや女優さんなどのネイルを多数手がけているageha先生プロデュースのジェル。
アクリル酸とHEMA不使用のジェルブランドです。
トランプジェル
画像出典:公式サイト
強い酸、ベンゾフェノン、HEMA不使用。
世界で最も厳しい審査機関とも言われるアメリカFDAという医薬品局の認定を受けたジェルです。
サンディングあり・なし・拭き取りあり・ノンワイプなど、豊富な種類から選べるのも特長です。
グラスネイル
画像出典:公式サイト
爪を補強するのが目的なら、グラスネイルがおすすめ。
ギタリストやスポーツ選手の愛用も多いグラスネイルなら、ライトで硬化させる工程がありません。
スプレー式の硬化材で固めるため、未硬化ジェルの拭き取りもなし。
つけ心地が自然で、つけている感覚を忘れてしまうようなネイルがしたいのであれば、ぜひチャレンジしてみてください。
2.ネイルチェンジを頻繁に行わない
オフする時に使用するアセトンをなるべく使用しないようにするため、ネイルの交換頻度は3〜4週間を守りましょう。セルフネイルなどで何度もやり直ししすぎるのも注意が必要です。
3.ジェルネイルが皮膚につかないように施術する
甘皮処理がきちんとできていない状態で、キューティクルの上にジェルが乗ってしまっているケースはよくあります。皮膚についてしまうとアレルギーを発症するリスクが高まります。もし、はみ出して皮膚についてしまった場合はジェルを硬化させる前にしっかりと確認をし、ウッドスティックなどで除去しましょう。
4.施術が終わったら手を洗う
はみ出したジェルを除去したりなど、皮膚に薬品が多くついてしまった時は、すぐに手を洗って洗い流しましょう。
5.こまめに保湿する
手が乾燥しているということは、バリア機能が低下しているということです。アレルギー症状はこのように皮膚の抵抗力が落ちてくるとあらわれやすくなるので、日頃からハンドクリームを塗ったりキューティクルオイルを塗るなどして、こまめに保湿を行いましょう。
爪周りに保護クリームを使用して、なるべくアレルギーの原因物質が皮膚につかないようにするのもひとつです。
皮膚保護王クリームダーマバリアK
画像出典:公式サイト
ダーマバリアKというミクロ粒子が、有害な物質から肌を保護してくれます。
皮膚の機能を妨げることがないので、発汗や皮膚呼吸ができるのが他のハンドクリームとは異なる特長です。
ただし、ジェルネイルの施術では油分はNGです。
油分が爪に残っていると、硬化してもジェルがネイルにくっつかず、数日でリフトしてしまう原因になりますので、爪はしっかりと拭き取ってくださいね。
まとめ
ジェルネイルアレルギーは、一度発症したら完治することはありません。しかし、できるだけ発症原因となりうるものを抑えたり、使用するものを変えたりすることで、再びジェルネイルを行えるようにすることは可能です。
また、アレルギーに対応した知識を持ったネイリストさんに相談をすれば、好きなアートをすることもできるようになるかもしれません。
もし、幸いにもまだ発症していない人は、これを機にジェルネイルアレルギーの知識をきちんと持って、日々の生活に気をつけてみてください。
今は出ていなくとも、明日は我が身だという気持ちをもって、リスクも理解した上でジェルネイルを楽しみましょう!