ふとした時に気付いた爪のへこみ。
特に物をぶつけたわけではないのにできてしまったこのへこみは一体何なのでしょうか。
「爪は健康のバロメーター」とも言われているぐらいですから、もしかして病気…?
謎のへこみの原因と、正常な爪に戻すための対処法をお伝えします。
この記事の目次
爪は健康のバロメーター
肌荒れや胃腸の調子が悪くなると、体調が悪いな…と感じる方は多いですが、爪の状態を気にしているという方はあまり多くないのではないでしょうか?
ですが、爪は健康のバロメーターともいわれ、爪にできるへこみや凹凸、筋などは、健康状態が良くないときに現れやすい症状です。
ストレスや睡眠不足など、よく起こる体調不良はもちろん、脊髄疾患や糖尿病が原因となっている場合もあるので、気になる方はご自身の爪の状態を時々チェックしてみてくださいね。
爪のへこみの症状と原因
爪のへこみ方には大きく分けて5つほど種類があります。
1.爪甲横溝(そうこうおうこう)
症状
爪の根元から先端に向かって波打つようにできている凸凹。
横線もうっすらと見えます。
健康的な爪がへこみ出すのではなく、爪が作られる爪母基での何らかの異常によってへこんだ爪が生えてくるメカニズムなので、根元付近にあればここ3ヶ月以内、先端付近にあれば半年〜1年位前の異常…などと予想できます。
原因
【一部の爪に横溝がある人の場合】
- 過度なストレス(特に親指に横溝がある人)
- 生活習慣の乱れ、睡眠不足
- 食生活の乱れ
- 湿疹、乾癬、円形脱毛症などの皮膚疾患
【全ての爪に横溝がある人の場合】
- 低カルシウム血症、ビタミンA欠乏症、亜鉛欠乏症、尿毒症、糖尿病、急性熱性疾患など全身性疾患
2.爪甲縦溝(そうこうじゅうこう)
症状
縦に筋や溝のようなものが入る症状。
原因
【30代以降の場合】
- 加齢
【10代や20代の場合】
- 生活習慣の乱れ、睡眠不足
- 食生活の乱れ
- 過度なストレス
【深いへこみ方をしている場合】
- 亜鉛欠乏症
- 糖尿病
- 血管の異常
3.匙状爪甲(さじじょうそうこう)
症状
別名「スプーンネイル」と呼ばれるもので、スプーンで押したような爪表面が反り返っている症状です。
爪がへこんだ状態で剥離することもあります。
大人だけでなく、ハイハイや物を掴む機会が急激に増える6ヶ月〜3歳前後の子どもにも多い症状です。
原因
・貧血(鉄分不足)
・遺伝
・指先を使って重たい物を持つ機会が多い
・素足で過ごす事が多い
4.爪甲点状陥凹(そうこうてんじょうかんおう)
症状
シャーペンで刺したようなプツプツとした点状の凸凹。
原因
- 過度なストレス、それに伴う円形脱毛症
- 湿疹
- 乾癬
5.爪異栄養症(そういえいようしょう)
症状
横・縦・点状に凹凸ができたり変色・変形などがみられる症状。
原因
- 真菌感染症
- 薬剤によるダメージ
- 先天性異常
- 乾癬
- ガン
爪のへこみを診てもらう病院は何科?
これらの爪に関することは、皮膚科で診てもらうのが一般的です。
何度も足を運ぶことを考えて、家の近所や職場周辺など通いやすいクリニックを受診するようにしましょう。
また形成外科・整形外科・爪外来でも可能です。
病院を受診する目安は?
爪がへこんでるだけで病院にいくなんて…と思う方も多いですよね。
病院を受診する目安として、痛みがある、日に日に悪化しているなどあまりに状態が悪い場合は、ご自身で対策するよりも早めの受診をおすすめします。
また、これから紹介する対処法を試してみても改善しない、もしくは悪化してしまうという場合には、病院を受診するようにしましょう。
爪のへこみを治すための対処法
原因をみてわかるように、病気の場合は病院での専門的な治療が必要であり、へこみを自力で治すには日常生活の見直す以外ありません!
食事を見直す
まずは食事からです。
バランスの良い食事を摂るのが基本ですが、爪の80%を占める主成分である「ケラチン」が含まれたタンパク質と、その働きを支える亜鉛・ビタミン・鉄を特に意識的に摂るようにしましょう。
タンパク質
タンパク質は大きく分けて動物性タンパク質と植物性タンパク質がありますが、この2つをバランス良く摂ることで、体内で効率良く働いてくれます。
動物性タンパク質はお肉やお魚に多いためそこまで意識しなくても摂れるでしょうが、植物性タンパク質は納豆・大豆・きな粉など豆類に多く含まれていて動物性タンパク質ほど摂れやすいものではないので、それぞれ1食に1品は取り入れるように心がけてみましょう。
亜鉛
現代人には不足しがちと言われている栄養素です。
しかしながら、タンパク質の合成に必要となる爪を形成するのに大切な素材で、特に爪甲横溝・爪甲縦溝の方は不足している傾向にあるため、牡蠣・鰹・カタクチイワシ・豚レバーなど亜鉛が豊富な食べ物を摂るようにしましょう。
ビタミン類・鉄
ビタミン類や鉄も爪の育成に大きく役立ちます。
ビタミンA
…爪の成長をサポート
(豚レバー・鶏レバー・うなぎなど)
ビタミンB2
…細胞の再生を促してくれる、「発育のビタミン」
(落花生・牛乳・卵など)
ビタミンB7(ビオチン)
…細胞を活性化、老廃物排泄を促す
(鶏レバー・アーモンド・卵など)
鉄
…血流を良くして酸素や栄養素を指先まで届ける
(豚レバー・鶏レバー・ひじきなど)
爪をケアする
画像出典:無印良品 公式サイト
爪も加齢や環境によって肌と同じように乾燥し、さらに代謝が悪いと血行不良になり爪まで栄養が届きにくくなってしまいます。
ですから、ネイルオイルを塗り水分と油分を与えるとともに、爪の根元をマッサージして血行を促進させましょう。
「ネイルオイルは女性が使うイメージがあって買いづらい!」という男性もいるかもしれませんが、今は男性が使えるようなシンプルなパッケージのネイルオイルも売っています。
ハンドクリームは保護膜を張るようなもので浸透力の高いネイルオイルほど期待できません。
ぜひこれを機にネイルオイルで爪をケアしてあげてください!
また、爪を切るのにも爪切りで「バチン!」と切るより、爪やすり(別名:ネイルファイル)で徐々に削る方が爪に優しいのでおすすめです。
睡眠の質を上げる
睡眠は、爪を作る細胞組織が活発化する大切な時間です。
一般的な理想の睡眠時間は7時間や8時間といわれていますが、実際には個人差があるようです。
自分の身体にあう睡眠時間を知るためには、用事がない休日に目覚ましをかけず寝れるだけ寝てみましょう。
そしてその日1日特に眠気に襲われることなく快調に過ごせたらそれがあなたの体調にあった睡眠時間です。
また、就寝の90分前に入浴(湯船に浸かる)を済ませておく、寝るスイッチを入れるため寝汗をしっかり吸わせるためにジャージではなくパジャマを着る、就寝1時間前になったらスマホやTVは観ない…なども睡眠の質を上げるのに効果的です。
ストレスを溜めないよう心がける
原因にあった通り、爪と精神的ストレスは密接に関係しています。
ストレスを溜めていないフリをしていても身体は正直ということですね。
爪のへこみをなくす=爪の発育を促すのに頑張りすぎは禁物です。
たまには一人でゆったりした時間を過ごしたり、家族や友人と旅行したり、美味しいものを食べたりして、ストレスを溜めない習慣をつけましょう。
マッサージをする
爪のへこみをなくし、健康な爪を育てるためには、爪にしっかり栄養を送ることが大切です。
爪美容液などを使って直接栄養を送り込むこともできますが、根本改善とはなりません。
そこで、指のマッサージをして、血流をよくして、健康な爪の育成のサポートしましょう!
リラックス効果もあるので、手先をよく使う方にもおすすめですよ。
保湿をする
爪は乾燥しているとどんどんダメージが大きくなってしまい、爪のへこみだけでなく、二枚爪や割れの原因にもなります。
特に、水仕事が多い方は手指だけでなく、爪もしっかり保湿する必要があります。
ハンドクリームを使って爪の保湿もできますが、爪のへこみが気になる場合には、爪専用の保湿クリームやオイルがおすすめです。
まとめ
爪のへこみは、セルフケアで解決できるものとできないものがありますが、もし病気にかかっていたとしてもそうした爪の異常が早期発見に繋げてくれるのです。
ぜひ心配な方はためらわずに病院へ行ってくださいね。